ROS2チュートリアル 体験記 (1/3)

著者:東風上奏絵

ROS2チュートリアル 体験記 (1/3)

はじめに

皆さんはROS2を知っていますか?

ROS2は,ROSの次世代版です.ROSは元々,ロボティクス研究用ソフトウェアプラットフォームとして開発されてきました.ROSの普及に伴い,研究開発のみの用途だけでなく,製品に活用する動きが活発になってきました.その過程の中で,ROSに対する新たなニーズが生まれ,ROSのフレームワークのみで対応するのが難しくなってきました.

そこで,ROS2が新たに生まれました.2017年12月にArdent Apaloneが,そして今年2018年7月にBouncy Bolsonがリリースされ,現在も開発が続けられています.

本ブログでは,ROS2が生まれた背景について簡単に触れながら,ROS2の日本語版チュートリアル体験を通して,ROSとROS2の違いとして印象に残った点について述べていき,ROS2のこれからに関する議論を追いかけていきます.(ROSのことは,ROS2と区別して,ROS1と記述します.)

ROS2が生まれた背景

Willow Garage PR2

ROS1はPR2というロボットを用いたロボティクス研究開発環境として,その開発がスタートしました.当初は以下のような用途が想定されていました:

  • ロボット1台のみの運用
  • 計算資源豊富な環境下での運用
  • リアルタイム制御は必要としない運用
  • 強固なネットワーク接続可能な環境での運用
  • 学術研究における開発
  • 自由なプログラミング可能な開発

一方で,ROS1が普及することで,PR2だけでなく様々なロボットで用いられるようになったり,学術用途から製品化に用いられるようになったりしていき,以下のような新しい用途が生まれていくようになりました:

  • 複数ロボットでの運用
  • 小型の組込みシステム下での運用
  • リアルタイム制御を必要とする運用
  • 不安定なネットワーク接続下での運用
  • 製品化を行う産業分野での開発
  • 製品化を推し進めるサイクルや開発におけるはっきりとした枠組みが必要な開発

ROS1がこれまで満たしてきたニーズを維持しつつ,このような新たなニーズも満たしていくために,ROS1と切り分ける形でROS2が生まれました.

詳しい内容は,こちらのサイトに記述されています.

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ROS2チュートリアル 体験記 (2/3)

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