自律移動ロボットのキーデバイスといえば,LIDAR(Light Detection and Ranging)です.これは,レーザ光線(通常,赤外線レーザ)を周囲に発光して物体に当たった反射光を検出して,対象物までの距離を測るセンサです.
よく使われるのは,一本のレーザ光を回転させて,平面上のセンサからの距離を測る2次元型の製品です.たとえば,SICK社や北陽電機の製品です.
もともと移動ロボットの研究では,環境を計測して地図を作ったり,自律移動をするためにLIDARが使われてきました.また,2007年のDARPA Urban Challengeでは,Velodyne社が画期的な3次元LIDARソリューションを提供し,自動運転車の一つのブレイクスルーを引き起こしました.
これらのLIDAR製品はもともと産業用で,たとえば工場の生産装置や安全装置に使われています.そのため,頑丈さや防水などの機能を備え,反面かなり高価なものになります.研究開発の業務ならともかく,個人で簡単に買えるようなものではありません.
しかし最近,低価格なLIDARが一般販売されるようになってきています.これは,産業用には性能や信頼性は足りないけれど,ホビーや研究用には充分かつ簡易な機能を提供しています.個人的見解ですが,もしかしたら「破壊的イノベーション」的な製品で,今後,思ってもみない用途に使われていくのではないかと思っています.
今回は,そのうちの2つ,
を紹介します.まずは製品仕様を比較しましょう.
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