本シリーズ前回の記事 Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(13)MoveIt の静モデルの作成 では CAD などからエクスポートしたメッシュデータファイルを MoveIt の静モデルとしてモデルファイルに組み込んで表示する方法を紹介しました.
今回は洗濯機の URDF (Unified Robot Description Format) モデルにドアのヒンジなどの動く箇所を設定して,より機械らしい(ロボットに近い)モデルにする様子を紹介します.
前回の MoveIt の静モデル作成においては洗濯機全体として1つのメッシュデータファイル( DAE もしくは STL )をエクスポートして利用しました.
MoveIt のリンクモデル作成では各リンクに対応したメッシュをそれぞれエクスポートしてそれぞれのリンクのメッシュファイルとして利用します.
今回の洗濯機モデルでは次の3つのリンク構成にします.
今回は「洗濯機本体(main-body)」は元の洗濯機全体の座標系そのままとするので配置の変更はしません.
「洗濯槽の扉(door)」と「洗剤投入トレイ(tray)」の形状データを各リンクの座標系原点に配置します.
元々の洗濯機全体の座標系で配置されたオブジェクトを残しつつ,別途各リンクのエクスポート用にリンク座標系の原点にオブジェクトを配置してメッシュデータとしてエクスポートします.
Rhinoceros では右の図のようにオブジェクトを含む既存のレイヤを右クリックするとメニューに「レイヤとオブジェクトを複製」ができるのでこの機能で複製した先のレイヤで作業すると良いでしょう.
各リンク座標系基準の配置用レイヤでそれぞれの各リンクは次のように配置しました.
各リンク座標基準に配置したオブジェクトを選択して「選択オブジェクトをエクスポート」コマンドから DAE (Collada) か STL 形式でエクスポートします.
Rhinoceros から DAE (Collada) をエクスポートする場合はエクスポートオプションにて
「ジオメトリのみを保存」のみにチェック
を入れてファイルを書き出します.
この「ジオメトリのみを保存」でも色や単位情報も保存されます.
今回は表示(visual)用に色付きの DAE ファイルとしてエクスポートし,干渉チェック(collision)用にデータ量を少なくするため粗目の設定で STL ファイルをエクスポートしました.
DAE や STL のメッシュデータのエクスポートが終わったらリンク機構を含む URDF モデルファイルを作成します.
3dmodeling-examples/models/urdf/ ├── meshes │ └── washing-machine │ ├── base_link.dae │ ├── base_link.stl │ ├── door.dae │ ├── door.stl │ ├── main-body.dae │ ├── main-body.stl │ ├── tray.dae │ └── tray.stl ├── washing-machine_links.urdf └── washing-machine.urdf
前回作成してメッシュファイルを配置したフォルダ
3dmodeling-examples/models/urdf/meshes
内にエクスポートしたメッシュファイルを配置します.
そしてフォルダ 3dmodeling-examples/models/urdf/
にファイル washing-machine_links.urdf
をテキストファイルとして作成してそこにリンク機構を含む URDF モデルを作り込みます.前回作成したファイル washing-machine.urdf
を複製してファイルの名前を変更しても良いです.
URDF データで 「洗濯機本体(main-body)」 と 「洗濯槽の扉(door)」 および 「洗剤投入トレイ(tray)」 それぞれの相対的な姿勢の関係とそれぞれの可動域を 「関節(joint)」 として定義しますので, CAD ( Rhinoceros など ) 上で相対姿勢および可動域の測定を行います.
その際,各リンクオブジェクトについて DAE や STL ファイルへのエクスポート用に原点へ移動した配置ではなく元々の洗濯機全体内での配置で調べるということに注意してください.
まずは 「洗濯機本体(main-body)」 と並進的な相対位置関係にある 「洗剤投入トレイ(tray)」 の座標の確認と設定可能な可動域を調べます.
次に 「洗濯機本体(main-body)」 と 「洗濯槽の扉(door)」 の相対座標・角度やの確認と設定可能な可動域を調べます.
扉は傾いて洗濯機本体に取り付けられているのでその角度とヒンジ回りの可動域も調べます.Rhinoceros では角度表示がラジアンでもできるのでそれを利用します.
リンクモデルに必要なメッシュファイルと情報が揃いましたので URDF ファイルに書き込んだものが次のようになります.
<?xml version="1.0" ?> <robot name="washing-machine"> <link name="base_link"> <collision> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/main-body.stl" scale="0.001 0.001 0.001" /> </geometry> </collision> <visual> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/main-body.dae" /> </geometry> </visual> </link> <link name="door"> <collision> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/door.stl" scale="0.001 0.001 0.001" /> </geometry> </collision> <visual> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/door.dae" /> </geometry> </visual> </link> <link name="tray"> <collision> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/tray.stl" scale="0.001 0.001 0.001" /> </geometry> </collision> <visual> <origin xyz="0 0 0" rpy="0 0 0"/> <geometry> <mesh filename="package://3dmodeling-examples/models/urdf/meshes/washing-machine/tray.dae" /> </geometry> </visual> </link> <joint name="joint1" type="revolute"> <parent link="base_link"/> <child link="door"/> <origin xyz="0.30658 -0.258 0.67582" rpy="0 -0.1396 0"/> <axis xyz="0 0 1" /> <limit effort="30" velocity="1.0" lower="-1.8326" upper="0.0" /> </joint> <joint name="joint2" type="prismatic"> <parent link="base_link"/> <child link="tray"/> <origin xyz="0.0 -0.190 0.956" rpy="0 0 0"/> <axis xyz="1 0 0" /> <limit effort="30" velocity="1.0" lower="0.0" upper="0.200" /> </joint> </robot>
washing-machine_links.urdf 内のそれぞれの要素について説明します.
<link>
要素: リンクの定義 3つ ( base_link, door, tray )<collision>
要素にメッシュに STL ファイルを使用し単位変換 [mm] → [m]<visual>
要素に DAE メッシュファイルを使用<origin>
はリンク内のメッシュの配置なので今回は全てゼロ<joint>
要素: joint1type
で関節形式 revolve
(=回転)を設定<parent>
要素で関節を介する親リンク base_link
を指定<child>
要素で関節を介する子リンク door
を指定<origin>
要素で親子リンク間の相対座標<axis>
要素で revolve
関節の回転軸のリンク座標系での方向を設定<limit>
要素effort
: 最大トルク – 今回はとりあえずの値velocity
: 最大角速度 – 今回はとりあえずの値lower
: 可動域下限 – 回転関節なので下限角度で単位はラジアン [rad]upper
: 可動域上限 – 回転関節なので上限角度で単位はラジアン [rad]<joint>
要素: joint2type
で関節形式 prismatic
(=並進)を設定<parent>
要素で関節を介する親リンク base_link
を指定<child>
要素で関節を介する子リンク tray
を指定<origin>
要素で親子リンク間の相対座標<axis>
要素で prismatic
関節のリンク座標系での移動方向を設定<limit>
要素effort
: 最大力 – 今回はとりあえずの値velocity
: 最大速度 – 今回はとりあえずの値lower
: 可動域下限 – 並進関節なので下限位置で単位はメートル [m]upper
: 可動域上限 – 並進関節なので上限位置で単位はメートル [m]下記リンク先の ROS Wiki に URDF ファイルの作成方法のチュートリアルがありますので参考にしてください.
urdf_tutorial
の display.launch
で URDF モデル washing-machine_links.urdf
の確認をします.(下記コマンド横スクロールで末尾まで表示)
$ roslaunch urdf_tutorial display.launch model:='$(find 3dmodeling-examples)/models/urdf/washing-machine_links.urdf'
URDF で <joint>
要素を定義して joint_state_publisher ウィンドウ内のスライドバーも有効になっているので関節を動かしてみます.
動画では表示メッシュの動きとともに TF も一緒に動いている様子が見られると思います.
今回の記事はここまでです.
本シリーズ前回の記事 Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(10)部品作成編 で洗濯機全体の形状が完成しました.
まずはエクスポートするメッシュの確認も兼ねて,可動部分のない一番単純な Gazebo と MoveIt それぞれにおける洗濯機モデルを作ることを目標として,今回は CAD( 本記事では Rhinoceros )の形状データに色を付けるとともに Gazebo や MoveIt で利用できるデータ形式にエクスポートする手順を紹介します.
次の図は今回エクスポートするデータを Gazebo と MoveIt のシミュレーションモデルに組み込んで表示させた様子で,次回の記事のゴールになる予定です.
Gazebo/MoveIt のシミュレーションモデルにはディスプレイ表示用の visual メッシュと干渉チェック用の collision メッシュの2種類のデータが必要です.今回は大きく分けて次の ① ② ③ の 3種類 のデータを用意します.
ひとまず可動部分のない Gazebo および MoveIt のシミュレーションモデルを作成しますので,これまで作成してきた洗濯機モデルの閉じたポリサーフェス(=ソリッド)をそのまま全て選択して「選択オブジェクトをエクスポート(Export)」で干渉チェック用の STL メッシュデータファイルとしてエクスポートします.
ファイルの種類で「STL (Stereolithography) (*.stl)」を選択します.ファイル名はメッシュモデルの乗るシミュレーションモデルのリンク名にすると分かりやすいので今回は「base_link.stl」とします.
「ポリゴンメッシュ詳細オプション」の子ウィンドウが出るので各設定項目は主に下のリストのように今回は設定しました.(図はクリックで拡大表示されます.)
STL メッシュデータの粗密やデータ量を調整したい場合は主にこれらの設定値を調整します.
「STLエクスポートオプション」ではデータ量を確認してデータが大きすぎるような場合には「メッシュを調整」ボタンから再調整して,問題なければ「バイナリ(B)」でエクスポートします.
エクスポートした STL ファイルの内容を確認するにはフリーソフトウェアの MeshLab にインポートするのが良いのではないかと思います.
MeshLab は Windows・Mac・Linux のどのプラットフォームにもインストールできますので便利です.
また Windows であれば「3Dビューアー」,Mac であれば「プレビュー」でも STL ファイルを表示することが可能です.
エクスポートした STL ファイルに洗濯機全体の形状データが含まれているように表示されるかと思います.
干渉チェック(collision)用の STL ファイルへのエクスポート手順は以上です.
ディスプレイ表示用の visual メッシュは色を付けない単色での利用も可能ですが,せっかくなのでカタログから推測して次のリストの色分けをしてみます.
Rhinoceros のデフォルトではポリサーフェスで1つにまとまっていると色や反射率,透過率などの設定が含まれるマテリアル設定が1つしか反映されないので,色ごとのポリサーフェスやサーフェス,それらのグループに分解します.ソリッド(=閉じたポリサーフェス)の状態は残しておきたいので色付け用のレイヤを作成してそのレイヤに洗濯機モデル全体をコピーしたものを分解,色付けします.
色はオブジェクトの「マテリアル」を設定して付けます.
色ごとに分けたオブジェクト(=ポリサーフェスやサーフェス,グループ)を選択してから右クリックして「オブジェクトのプロパティ(S)」を表示して「プロパティ: マテリアル」タブを開きます.
マテリアルの設定時に気を付ける点があり,「金属」系の色は後の項目でエクスポートする Collada(DAE)ファイルや Gazebo,MoveIt のディスプレイ上では反映されなく,意図しない,おそらくエクスポートしたオブジェクトのあるレイヤー色か黒などに表示されてしまうので「プラスチック」系のマテリアルを使用して各色を指定するのが良さそうです.
また,Rhinoceros 上での表示形式を「レンダリング」にすることでマテリアルが反映された表示になります.
上の図では 「gray-white」を選択した例を示していますが,他の「light-gray」「dark-gray」「blue-gray」についても同様にプラスチック系マテリアルの色を調整して設定します.
MoveIt シミュレーションモデルの URDF ファイルから表示用(visual)メッシュとして使うために,マテリアルを設定して色付けしたモデル Rhinoceros から Collada(DAE)ファイルとしてエクスポートします.
Collada(DAE)のメッシュデータには色や単位の情報も含まれるので全色分のオブジェクトを一緒くたに選択して「選択オブジェクトをエクスポート(Export)」でエクスポートします.
ファイルの種類に「COLLADA(*.dae)」を選択します.ファイル名はメッシュモデルの乗るシミュレーションモデルのリンク名にすると分かりやすいので今回は「base_link.dae」とします.
エクスポートした DAE ファイルの内容の確認は Mac だと「プレビュー」で右の図のように行えます.
FreeCAD は Windows や Mac,Linux で利用でき,DAE データも表示することができます.
FreeCAD の操作感はあまり良いとは言えないのですが様々な形式の 3D データが読み込めるのでデータ確認には非常に便利です.
今回,洗濯機操作部の丸いボタンに金属系マテリアルを設定して Collada(DAE)ファイルとしてエクスポートして利用しようとしましたが金属マテリアル部分が DAE メッシュとしては黒色になってしまって金属的な表現にはなりませんでした.
今回筆者の調べた範囲においては glTF(ジー”エル”ティーエフ) 形式とそのバイナリ形式の glb 形式が 3D モデルのファイル内に金属やガラスなどのマテリアル表現の情報も含まれる形式とのことでしたので Rhioceros にこれらの形式をエクスポートするプラグインを導入し,丸ボタンに金属マテリアルを適用したものを glb 形式でエクスポートして,Web にある glTF ビューア で表示してみたものが次の図です.
ボタンの部分が金属的な表現になっているように見えます.
ではこの glTF や glb 形式の 3D モデルファイルが Gazebo や MoveIt で使えるのか,といったところが ROS ユーザとしては気になるところです.Gazebo や MoveIt はレンダリングエンジンに OGRE(Object-Oriented Graphics Rendering Engine) を利用しています.
OGRE の現時点で最新リリースが 2022年2月9日 リリースの 13.3 です.OGRE v13.3 では glTF2.0 形式の情報を利用した金属や布などのマテリアル表現が可能になったとのことです.
Gazebo や MoveIt でも OGRE で新しくリリースされた豊かなマテリアル表現機能を使えるように実装が進んだら,今回上手くいかなかった金属表現もできるようになるのかな?と期待しています.
Gazebo シミュレーションモデルの SDF ファイルから表示用(visual)メッシュを色付きで使うためには色ごとにメッシュを分けた STL データファイルに対して SDF ファイル内で色情報を指定する必要があります.
そのために Rhinoceros からは色ごとにオブジェクトを選択して各色の STL ファイルとしてエクスポートします.
一般的な STL ファイルには色情報が含まれませんので Rhinoceros 上で色を付ける必要性はないのですが,前の項目で既に色ごとに分けて色付けしたオブジェクトがありますので,ここでは「色で選択(SelColor)」でそれぞれの色を選択して「選択オブジェクトをエクスポート(Export)」すると楽にできます.
STL エクスポート自体のの手順は先ほどの「干渉チェック(collision)用 STL メッシュデータのエクスポート」内で行った手順と基本的には同じですが,色分けした,ソリッド(=閉じたポリサーフェス)ではない,開いたポリサーフェスやサーフェスをエクスポートすることが出てきますので,その場合は「STLエクスポートオプション」にて「開いたオブジェクトをエクスポート(E)」のチェックを入れる必要があります.
ファイル名はメッシュモデルの乗るシミュレーションモデルのリンク名に色名を足しておくと分かりやすいので,今回は下のリストの各ファイル名で 4色分 4つのファイルとしてエクスポートしました.
複数に分けた STL ファイルを MeshLab にインポートすると MeshLab 内のレイヤとして表示されるのでレイヤの表示・非表示を切り替えるなどしてメッシュの確認を行うと良いのではないかと思います.
今回の記事はここまでです.
本シリーズ次回の記事は
「Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(12)Gazebo や MoveIt の静モデルの作成」
として,今回エクスポートしたメッシュデータファイルを Gazebo や MoveIt のモデルファイルに組み込んで表示する様子を紹介する予定です.
前回 「Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(5)滑らかなサーフェス – 知識編」 では 3D モデリングにおける滑らかなサーフェスとは何かについて曲率などの連続性や CAD やサーフェスモデラ内での形状表現のされ方について説明しました.
今回は前回の記事の知識を踏まえて滑らかなサーフェスの作成例について説明します.
滑らかなサーフェスは Gazebo や MoveIt のモデルを作成する場合においてはあまり重要性は高くない… と前回の記事を書いた時点では考えていましたが,今後,Gazebo や MoveIt を走らせる PC の CPU / GPU 性能が向上して細密メッシュモデルを使った精密なシミュレーションへの要求も段々と高くなるかもしれない,とも思いました.
サーフェスはモデル内で大きいものから順に作成していった方が全体のバランスを確認しながら作業を進められて修正作業が必要になる量も少なくなるので良いと思います.
ただ,本記事ではまず,Rhinoceros に備わっているコマンド1つほどであまり制御点とか次数とか細かく意識しなくても作成できる曲率連続の滑らかなサーフェスの例として小さいサーフェスの洗濯機前面上部の操作ボタンのモデリングについて説明します.
洗濯機の前面視( Rhinoceros の Right ビュー )で四角いボタンの大きさを見ると大体 20mm 角でした.
ボタンを1つモデリングして,それを洗濯機前面のサーフェス上に8つコピーして配置します.
左の図は四角いボタンのソリッドモデルの作成過程をアニメーション化した画像です.
各手順を以下に順を追って説明します.
20mm の正方形の線を選択して「テーパで平面曲線を押し出し(ExtrudeCrvTapered)」 を実行し,ドラフト角度 15° の設定で 3mm 押し出します.
四隅を「曲率連続」で丸めるために「エッジをブレンド(BlendEdge)」を実行して四隅のエッジを選択します.
デフォルトでは半径が 1mm となっていてモデリングしたい四隅の半径はもう少し大きいので洗濯機前面図と比較しながら寸法を調整します.
「エッジをブレンド」コマンド内の設定を次のようにして
次にコマンド内設定で「全てを設定(T)」で半径(上記設定の場合はレール間の距離)を 8mm にしてコマンドを確定します.
「エッジをブレンド」コマンド内の「レールタイプ」の設定は「レール間の距離」にした場合が比較的綺麗なフィレットがかかるように思っているので設定しました.フィレットをかけるサーフェスの組み合わせによって他の設定の方が良い場合もあるので各モデリング対象にて適宜選択してください.
今度は指で押す面の周囲にブレンドエッジを作成します.「エッジをブレンド(BlendEdge)」コマンドを実行してコマンド内設定 「次の半径(R)」 を 2mm に設定してから該当するエッジをすべて選択して確定・実行します.
下の図は「エッジのブレンド」でフィレットを作成した四角いボタンの平均曲率解析とゼブラ解析の表示結果です.
これらのブレンドエッジは数ミリと小さいので問題にはあまりなりませんが,大きなサーフェスとしてブレンドエッジを作成する場合は応用的に次のリストの項目を調整編集すると良いでしょう.
四角いボタンのモデルができましたので洗濯機前面のサーフェス上にコピーして配置します.
ボタンの押される方向の軸と洗濯機前面のサーフェスの法線軸を合わせ,かつ上下辺を水平に配置したいので「配置(3点指定)・(Orient3Pt)」を利用してコピーします.「 配置(3点指定)」は下記リストの 3点 を移動元と移動先で指定して配置変換するものです.
四角いボタンの移動先とするために配置するサーフェス上の法線方向と接線方向の直線を各配置点で描画します.まず,YZ 平面上に四角いボタンを配置する中心線を描画して,洗濯機前面視(Rinoceros の Right ビュー)にてそれらをサーフェスに「投影(Project)」します.
「直線(Line)」を実行してコマンド内で「法線(N)」を指定,もしくはメニューから「サーフェス法線(U)」を実行して,サーフェスを選択後,サーフェス上にある投影した中心曲線の交点を選択して法線を描画します.
今回の「配置(3点指定)・(Orient3Pt)」ではスケーリングコピーはしないので長さは適当で大丈夫です.順次各点における法線を描画して合計8軸を準備します.
洗濯機前面の球面サーフェスに食い込む形で四角いボタンを配置したいのでコピー元となる点を 1mm ボタンの高さ方向へ移動しておいてから「配置(3点指定)・(Orient3Pt)」でコピー元,コピー先の各3点を指定してボタンをサーフェス上に配置します.
8つの四角いボタンを洗濯機前面のサーフェス上に配置してゴースト表示とレンダリング表示をしてそれぞれキャプチャしたものが次の2つの画像です.
丸いボタンのように軸回転形状のものは回転形状のプロファイル曲線を作成してそれを軸回りに回転してソリッドモデル(閉じたポリサーフェス)とするのが一番簡単だと思います.
丸いボタンモデルの作成自体は上記四角いボタンのように作成しやすい場所で作成して,軸回りの形状は軸対称で同じなのでそれを今度は「配置(2点指定)・(Orient)」でコピー移動して洗濯機上のサーフェスに配置します.
丸いボタンのモデリングと配置の作業手順をまとめると次のようになります.
回転方向は曲率一定になるので回転プロファイルの曲線さえ滑らかな曲線を作成すれば回転で作成するポリサーフェスも滑らかになります.そこで丸ボタンの回転プロファイルを次の図のように作成するのですが,ボタンの側面と指で押される面に相当する曲線間に滑らかなフィレット曲線を作成します.
ボタンの側面と指で押される面に相当する両曲線に接する円を描画して円の接する点でトリムするとその間の曲線の接続も比較的バランス良く繋がります.円との接点でトリムされた両曲線間に「接続(BlendCrv)」で曲線を作成します.
「接続(BlendCrv)」内の設定で各接続点における接続条件を設定します.連続性を「曲率」もしくは「G3(曲率変化率)」を設定すると各設定に応じた滑らかな曲線が描画されます.各制御点は [ Shift ] キーを押しながらマウスでドラッグすると対象な点も同時に移動してくれるので便利です.曲線形状や曲率変化を見ながら制御点を調整して意図した形状で確定をします.
回転形状のプロファイル曲線が作成できたら「回転(Revolve)」 で曲線を回転したサーフェスを作成します.
1回転分のサーフェスを作成するにはコマンド内で「360度(F)」を指定します.
右の図(ワイヤーフレーム表示)のようなボタン形状のサーフェスが作成されます.
1回転分作成したサーフェスをすべて選択して「結合(Join・Ctrl-J)」してソリッドモデル(閉じたポリサーフェス)にします.
<参考>
Rhinoceros 上では回転形状プロファイル曲線群を先に「結合(Join)」してから「回転(Revolve)」しても同じ形状になるのですが,サーフェスのフィレットのような回り込みの大きい形状と一体化したサーフェスをメッシュ化するときにフィレット形状付近を飛ばして粗いメッシュが作成されてしまうことがあります.フィレット形状部分のサーフェスは一体化したものとせずに別体のものを作成した後「結合(Join)」した方がフィレットサーフェスのエッジがメッシュ境界に反映されるので適切な形状のメッシュ作成のためには良いでしょう.
丸いボタンのソリッドモデルが作成できたら「配置(2点指定)・(Orient)」で洗濯機前面サーフェス上の法線方向に合わせてコピー移動します.先述したように軸回りの形状は軸対称で同じなので位置と方向1つのみの指定の移動変換をします.
四角いボタンと同様に前面サーフェスに少し食い込ませたいので丸いボタンの背面から 1mm 入ったところをコピー原点としてからボタンを押す方向軸上の1点を選択して,コピー先の洗濯機前面サーフェス上の点と法線方向を指定してスケーリングしない設定でコピー移動します.
丸いボタンを洗濯機前面サーフェス上に配置したものを四角いボタンと併せて Perspective ビューにゴースト表示させたものが次の図です.
レンダリング表示にしてキャプチャした画像が次の図です.
洗濯機本体とボタン類のソリッドモデルをブーリアン演算して一体化するのは全ての作業の最後で良いので,他のモデリング作業の邪魔にならないようにとりあえず新しいレイヤー buttons(例)を追加してそこに移動しておきます.
今回の記事はここまでです.
本シリーズ次回の記事は引き続き滑らかなサーフェスの作例紹介で
「Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(7)滑らかなサーフェス – 作成編(その2)」
を予定しています.
前回 「Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(3)基本形状編 – その1」 で Box 形状や球面で洗濯機の大きな面のモデリングを行いました.
今回はその続きで,洗濯機の背面や底部のモデリングを行います.
ボディ背面の突出形状部の最後部から 40mm の幅がありますので,洗濯機の主要形状部をその分トリムします.(前回 Box 形状の Scale1D を前後方向に行わずにガムボール移動などで World 座標系で X の正方向に 40mm 移動した場合はこの手順は不要)
洗濯機の側面視で最背部から垂直な直線を描画して,前方向に 40mm 移動させ,この直線を使ってボディをトリム(Trim)します.
Perspective ビューでトリムされたボディのエッジ分析(ShowEdges)をすると次の左の図のようになります.
このような開口部エッジが同一平面内にあって閉曲線になっている場合は平面で塞ぐ 「キャップ(Cap)」 を実行できます.
次は背部に突出している形状を作成します.
背部の台形状の輪郭を描画します.上面視(Top ビュー)で座標 (-320,0) から水平の直線(Line)を後部に向かって描画して,その直線からオフセット(Offset)で オプション Both(B) で両サイドへのオフセット線をオフセット量 260[mm] = 520mm/2 で描画します.メインボディ最後部のエッジと 260mm オフセットした両直線の交点を中心に回転(Rotate)で 45°,-45° を指定して回転させて上面図画像の輪郭に合うことを確認します.
また直線(Line)を座標 (-360,0) から「両方向(B)」を指定して洗濯機の幅方向に描画します.
描画した3つの直線の台形での不要部分を互いにトリムします.
Perspective ビューに移って台形の開いている部分を直線で接続して結合(Join)して曲線を閉じます.閉じた曲線を洗濯機の高さ方向(Z方向)に +90mm ガムボールで移動させます.
背面部の基礎となる 3D 形状をソリッドの「垂直に押し出し」で作成します.とりあえず上面高さまで押し出しします.
洗濯機の側面視(Back ビュー)にて洗濯機背部形状の上端に相当する斜めの直線を描画して先程「押し出し」したソリッドを トリム(Trim) して キャップ(Cap) で閉じます.
三面図から読み取れる形状としてはここまでなのですが,洗濯機背部は角部や隅部に 「R形状」 や 「フィレット」 と言われる形状がつけられていることが多いです.
今回は三面図から 「R形状」 の寸法は読み取れないので,それを想像して寸法を決めて 「ロフトサーフェス(Loft)」 で作成します.
ロフトサーフェスは曲線と曲線の間にサーフェスを作ります.ロフトサーフェスの基となる曲線を 「フィレット(Fillet)」 で描画します.
フィレットの半径は最後部の平面上の方に 40mm メインボディとつながる平面上の方に 80mm のフィレットをかけるとバランスの良さそうなロフトサーフェスになるかと思います.
洗濯機背部上方のコーナー部にロフトでフィレットサーフェスが作成できたら ミラー(Mirror) でX軸対称に反転コピーします.そしてミラーリングして左右2つになったフィレットで洗濯機背部のソリッドモデルを トリム(Trim) します.
2つのフィレットとそれらでトリムされた背部ポリサーフェスを 結合(Join) すると1つのソリッド(閉じたポリサーフェス)になります.
洗濯機のメインのボディと背部の2つのソリッドモデルは互いに接し合っているので2つのソリッドの 「和の演算(BooleanUnion)」 を行って1つのソリッドモデルにします.
1つのソリッドになるので,くどいようですが ShowEdges で 「閉じたポリサーフェス(=ソリッド)」 であることを都度確認すると良いでしょう.
Gazebo や MoveIt のモデルとしては洗濯機底部はロボットとインタラクションすることはあまりないと思いますので大体の雰囲気をモデリングできれば十分です.
洗濯機の足部は三面図だけではなくカタログ画像からも少し形状が分かるので三面図と併せて参考にしてモデリングします.
カタログ画像や3面図から,足部はテーパのかかった円錐台形状であろうと思われます.
側面視や前面視からそれぞれの足の中心座標を推定し,下面と上面の直径はそれぞれ 50[mm] と 54[mm] ぐらいと当たりをつけて円を描画してロフトとキャップを組み合わせてソリッドモデルを作成します.
洗濯機底部の足以外のサーフェスのモデリングの大まかな様子は次の GIF アニメーションのような感じです.モデリングの履歴(ヒストリー)を使わないモデリングなので作成手順はやり易い順番で大丈夫です.またサーフェスの作成方法も1通りしかないのではなく,例えば 「ロフト (Loft)」 でフィレット形状を作成する代わりに 「サーフェス > フィレット(FilletSrf)」 や 「エッジをフィレット(FilletEdge)」 ,「回転(Revolve)」 を使ったりすることもできます.
これまで取り上げていない機能で利用したのは 「曲線を押し出し(ExtrudeCrv)」 と 「円柱(Cylinder)」 の機能です.
今回は洗濯機ボディの背部や底部のモデリング方法を紹介して,次のモデルとなり本記事のゴールに到着しました.
基本形状編はひとまず今回の記事までです.
本シリーズ次回の記事は 「Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(5) 滑らかなサーフェス – 知識編」 を予定しています.
前回の Gazebo/MoveIt のための 3D モデリング(2)準備編 で右の図のように三面図を空間上に配置してモデリングの準備を行いました.
今回から実際のモデリング方法の紹介を行います.今回のゴールは基本的な形状で構成された次の図の状態です.
直方体と球面でモデリングします.
レイヤ03 を model という名前にしてこのレイヤ内でモデルを作成します.
レイヤ model をダブルクリックするとチェックマークが model レイヤに付いて編集対象のレイヤになります.
三面図を見るとボディの上面や側面,1段上がった底面,背面から1つ前方の面は平面で構成されているようです.(筆者が基のモデルを作成しているので自作自演なのですが…)
直方体を描画してそれらのサーフェスとします.
まず,準備で描画した outline のボックスを利用して直方体を描画するために Osnap の「端点」のチェックを入れておきます.
直方体は Box コマンドかメニューから ソリッド(O) > 直方体(B) > 2コーナー,高さ指定(C) を選択して描画します.
outline の底面の対角点の2点と高さとして上面のいずれかの角の点を順次クリックすると右の図のように直方体が描画できます.
次に,1方向のみのスケーリング Scale1D( 変形(T) > スケール(S) > 1Dスケール(1) )を使ってボディの底面の位置と奥行方向の2つの寸法調整をします.
底面の位置は Scale1D で上面位置を基準として変形を行います.
奥行方向の寸法調整は後で前面のサーフェスを作成してそれでトリムをしたいので少し前に出しておきます.もしくは背面の突出している部分の基となる面がが 40mm 分前に来るのでガムボール移動で X方向 に 40mm 移動するようにしても大丈夫です.
洗濯機前面の主なサーフェスは球面ぽい感じがします.(自作自演ですが…)
まずは球面の半径を推定します.
洗濯機の側面視,Rhinoceros での Back ビューにて外形カーブに沿って3点指定の円を描画しておおよその半径を見てみます.
3点指定の円はメニューからは 曲線(C) > 円(C) > 3点指定(3) で実行し,コマンドでは Circle を実行してから 3点(O) を指定します.アイコンからは円形状から3点付いた円を選択します.
洗濯機前面の側面視への投影輪郭線上の3点を指定して円を描画します.
次に描画した円の半径を調べます.メニューからは 解析(A) > 半径(R) を選択し,コマンドの場合は Radius を入力して描画した円を選択します.その結果,先程描画した円の半径は「5182.7590331 ミリメートル」と解析されました.
切りの良い数字で半径は 5000mm ぐらいかな?と当たりをつけて球を描画してみます.
描画した円を削除します.
先程と同じメニュー・コマンドの「3点指定の円」を利用しますが今度は投影輪郭線上の2点と半径 5000mm を指定して描画します.
描画した半径 5000mm の円の中心から半径 5000mm の球を作成します.Osnap の「中心点」にチェックを入れます.球を作成するにはコマンドでは Sphere,メニューからは ソリッド(S) > 球(S)です.球の中心に円の中心を選択して半径 5000mm を指定して球を作成します.
このように側面視では半径 5000mm の球であるとみなしましたが,他の投影図で見ても洗濯機前面のサーフェスとしてこの半径 5000mm の球面が妥当であるか? を見てみます.
上面視(Rhinoceros の Top ビュー)から見ても半径 5000mm から作られる形状が三面図と整合するかを確認します.
作成した球を上面の高さでトリムします.上面高さで水平な直線を描画してそれを用いてトリムします.
側面視で Line コマンドかメニュー 曲線(C) > 直線(L) > 線 もしくはアイコン選択で直線描画を開始し,Osnap の「端点」にチェックが入っている状態で上面の1つの頂点を選択して Shift キーを押しながら水平に直線を描画します.
トリムに用いる直線を選択した状態でキーボードショートカット Ctrl+T を選択するとトリムコマンドが開始されますのでトリム対象として球のサーフェスを選択します.この時トリム設定として ( 切断線を延長(E)=はい 仮想交差(A)=はい ) として実行します.
次の図は洗濯機の上面高さでトリムした球面サーフェスの上端エッジの円とその上端エッジを曲線として複製( DupEdge )してその曲線を洗濯機の上面図上の曲線とほぼ重なる場所にオフセット( Offset )させた比較です.
(画像クリックで拡大) オフセットさせた曲線は洗濯機上面図の曲線と比べて少し半径の大きい円のようですので,実際の洗濯機の前面の球面の半径は 5000mm よりも小さい可能性が高いです.
洗濯機前面を球面とした場合は 5000mm では少し半径が大きいようですので,半径 4000mm の球面として半径 5000mm で行ったのと同じように描画して評価する手順を再び行います.
洗濯機前面サーフェスを半径 4000mm の球面とした場合の洗濯機上面図とトリムされた球面エッジを比較したのが次の図です.
画像では「上端エッジからオフセットした曲線(円)」が黄色になっているので少し見づらいかもしれませんが洗濯機の上面図内の曲線と一致しているように見えます.(画像クリックで拡大) このことより洗濯機前面のサーフェスを半径 4000mm の球面としたのはおおよそ妥当だと判断しました.
Perspective ビューで少し広めにモデリング空間を表示させたのが次の図です.ボックスと上面高さでトリムされた球面が見えています.
側面視で描画した円は オブジェクトを非表示( メニュー: 編集(E) > 表示(V) > 非表示(H) / コマンド: Hide ) にしてしまっても良いかもしれません.
球面とボックスを互いにトリムして洗濯機のボディ形状に近づけます.
互いに完全に交差した球面サーフェスと Box サーフェスを互いにトリムしたので両者間に隙間はないはずです.ただ,これらは結合(Join)して一体化していないので,状態としては隙間なく互いにただ並べられている状態,英語では Watertight(水密)などと言われる状態です.
それを確認するために解析ツールで「エッジを表示」してみます.
エッジ分析の小ウィンドウが表示されたらその中の 表示 – オープンエッジ(N) を選択します.
トリムされた球面サーフェスと Box サーフェスの境界部分が明るい紫からピンクのような色で表示されると思います.
トリムした球面サーフェスと Box サーフェスを結合(Join)してオブジェクトとして1体化ます.両方のサーフェスを選択してから結合を実行します.
結合したら再び「エッジを表示」を実行してオープンエッジがないかを確認します.
オープンエッジがなかったら次のようなエッジ分析の結果が出るかと思います.
「合計??個のエッジ.オープンエッジ,非多様体エッジはありません.」
これは 「閉じたポリサーフェス」 や 「ソリッド」 と呼ばれるモデルの状態を意味します.
今後「ソリッドモデル」や「閉じたポリサーフェス」であるはずのモデルを作った場合は都度確認するようにしましょう.都度確認しないで何かのはずみで僅かな隙間が残っているまま作業を進めてしまうと後々にサーフェスが閉じなくなり多くの作業をやり直さないとならなくなってしまうことがあります.
次に前面下部のサーフェスも似たような面であろうと目論んで,側面視(Rhinoceros の Back ビュー)で半径 4000mm の円を描画してみると,大体 Z=350mm ぐらいの平面で上下反転しているように見えます.
球面サーフェスを反転コピーするために先程結合したソリッド(閉じたポリサーフェス)モデルから 「サーフェスを抽出」 して球面サーフェスを分離します.
球面サーフェスを反転コピーするために側面視(Rhinoceros の Back ビュー)で直線(Line)を座標 (0,350) から水平に引きます.
前面の球面サーフェスを選択してミラー変形で反転コピーします.
座標 (0,350) から水平に引いた線の両端を順に選択して反転させます.
座標 (0,350) から水平に引いた線で不要になる球面サーフェスをトリムし,またミラーコピーした球面サーフェスの Box サーフェスからはみ出る部分や Box サーフェスのはみ出る部分を球面サーフェスでトリムします.
これらのトリムされた上下の球面サーフェスと Box サーフェスを結合(Join)すると次のようなソリッド(閉じたポリサーフェス)モデルになり,記事の冒頭で述べたゴールに辿り着きました.
次回は, 「3D モデリング(4)基本形状編 – その2」 として洗濯機の背面や底部の形状のモデリングを説明する予定です.